昔OPNA音源をいじって遊んでいた時期が何年かあって、その頃はパソコン通信やらコミケやらで楽曲を入手しては楽しんでいた。もう思い出でしかなかったことだったのだけど、今年はそんなことをやっていた人たちが数年ぶりにコミケに出展するというので、昔とった杵柄ということで参加することにした。古い形式の楽曲データを、古い文法のMMLで作成して、限られたリソース(チャネル数とか)で再生するという遊びだ。
最近だと8ビットといってファミコンなどの音源を模して音楽を作ったりアレンジしたりする人がそれなりにいて、商売にまでしてしまっていたりもするのだけど、自分になじみがあって入り込めるのは、むしろ16ビットでFM/SSG/ADPCMといった複数の音源が1つのボードに載ったこのDTM環境だ。昔と違って今は実機が手元にないので、FM音源エミュレータを組み込んだWindows用音源ドライバなどを使ってデータを作成することになる。PC98時代に作られたMMLコンパイラはPC98環境に依存していたりするので、その辺が削られたコンパイラを使ったりする。
FM音源ドライバも後期になると、SSGチャネルをPCMに割り当ててPCM音色を同時に4音とか8音とか鳴らせてしまうようなものが出現した(当時のマシンの処理速度を考えれば、今のソフトウェアMIDIシンセサイザみたいなことは夢のまた夢だった)。その頃にはもちろんUMBもXMSも使われていたから、実質的には16ビットというより24ビットだったのだけど、スーパーファミコンもPCM8音だったし、まあその辺が16ビット環境の限界だったんだろう。
そんなわけでひさしぶりにこの方面で手を動かしてみたのだけど、やはりモダンな環境に慣らされていると感じる。和音は全部分解して入力しなければならないし、同じトラックでタイムラインを巻き戻して加工することもできないし、同じ出力チャネルを複数のトラックから制御することもできない...といった辺りでつまづく。論理トラックの概念が出てきたのは、おそらくFM3チャネルをスロットごとに発音できるようにした辺りからだろう。
本当は作曲などもしたかったのだけど、残念なことに昔自分で作って貯め込むようになった音色データが消えてしまっていて、必要なものは音作りになれていなかった頃の少ない手持ちを改造するか、ゼロから作り直すしかないということで、やる気がなくなってしまった。以前にそれなりに音色を作り込んでいたので、今さらそれより安易な音を作って公開する気にはなれないというプライド的なものだろうか。
ともあれ、この辺をいじっているうちに、11月は終わってしまった。12月にはもうこの方面で〆切に追われて何かやる必要は無い。
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